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第3号 本選出場チーム 対面報告会
リーダーシップ・キャラバン、そしてその先へ

​目次:

1.対面で会える特有の良さ

2.リーダーシップ・キャラバン2022本選

3.『チームワーク可視化レポート』

4.「社会と人生で必要なリーダーシップ」を身につけるには

​.おわりに

   みなさまこんにちは!リーダーシップ・キャラバン2022、レポーターのゆうりです。

本シリーズ最後のレポートでは、リーダーシップ・キャラバン当日から約1週間後に行われた、「本選出場チーム対面報告会」についてお届けします。

​対面で会える特有の良さ

   「対面報告会」はキャラバン当日に3つの予選会場から勝ち上がり、本選に出場できた3チームを早稲田大学日本橋キャンパスに招待し、オンラインだけでなく対面での交流機会を設ける趣旨で開催しました。

2020年度からオンラインで開催されているキャラバンですが、全国各地の学生が自宅から参加できるなどのメリットがある一方、対面で会える特有の良さは当然ながらなくなってしまいます。しかし今回、対面で集まれたことで、カメラやマイクでは伝わらない身体・声の大きさが感じられたり、他愛のない雑談が起きたりする環境の中、やっと会えた喜びが各チームメンバーから伝わってきました。そこで今年度は本選出場の副賞として、一緒に切磋琢磨したチームメンバーに対面で会える機会が設けられました。

​(チーム3の皆さん)

リーダーシップ・キャラバン2022本選

   リーダーシップ・キャラバン2022の本選には3チームが出場し、学生賞と5つの企業賞を目指しリーダーシップ発揮とその成果を競い合いました。対面報告会では、この3チームが関わった人たちからのフィードバックをもとに更に提案・発表をブラッシュアップしプレゼンテーションをおこないました。実際に使用されたスライドを一部抜粋しご紹介します。(チーム番号順)

 

※今年度のプロジェクトテーマは

「実現したときに思わず涙が出てしまうほどうれしい

メンバーが抱える問題を改善する起業プランを提案してください」

 

チーム1「ご近所さん」

朝の服選びのストレスを減らしてくれるアプリ

 

 

 

 

 

 

いらなくなった服はアプリの利用者同士で交換できる、またはリサイクルできるポイントが個人的に新鮮で工夫されているなと思いました。

 

チーム3「ただいま」

防臭・防音機能に加え、腸内環境改善につながるセンサー付きのおならパッド

販売価格や広告など、収益化の概算をした上で、利用者から集めたデータをさらに活用して事業の拡大可能性を示唆できていたのがとてもよかったです。

 

チーム8「こおろぎ」

旅行に行きたい学生と旅行先にある仕事のマッチングサービス

 

 

 

メンバーの悩み・思いをベースにしっかり構えた上で競合との差別化、さらにはクライアント企業さんに援助を訴えた上で「私たちチームこおろぎにできること」を明確にしていたのが印象的で記憶に残りました。

 

 

   いかがでしたか?

初対面のメンバーどうしで、短期間で抽象度の高い課題テーマに対してアイデアを0からまとめ発表資料を作成・発表までしたことを改めて振り返ると、ひとりひとりがリーダーシップを発揮するチームの力の大きさを感じます。

(質問に答えるチーム8の二人)

 

『チームワーク可視化レポート』

   実は、今回のキャラバンでは各チームの議論の様子を特殊な方法でモニタリング・分析した『チームワーク可視化レポート』の作成が行われていました。対面報告会に来場した3チームにはそれぞれの詳細なレポートが共有されました。

 

 

 

(対面報告会当日スライドから引用)

 

   本『チームワーク可視化レポート』は東京大学と日本社会イノベーションセンター(JSIC)に所属する彭さんが、JSICのリサーチチームのメンバーとともに作ったもので、今回イノベスト社と連携して測定を実施しました。キャラバン当日にZoomの各ブレイクアウトルームに入りチーム活動の様子を録画してから、メンバーが発する音声情報・視覚情報を自動処理することで出来上がりました。

 

対面報告会では、それぞれ共有された自チームのレポートを見ながら、「チーム活動の振り返り」のワークが行われ、各チームで議論しながら「私たちが本選に出場した」要因を読み取りました。

 

 

​(チーム1の皆さん)

 

 

「社会と人生で必要なリーダーシップ」を身につけるには

対面報告会の終わりに、早稲田大学の日向野幹也教授から総括のお話をいただきました。

当日来られなかった参加学生の皆さんに、このレポートを読んでくださっているみなさまに、ぜひ紹介したいと思った話を最後にお届けします。

 

キャラバンに参加した学生の皆さんは、大学も学年も異なる初対面の方とチームになり、3日間を過ごしました。初めて出会う、属性の違う人。それぞれに自分との小さな違い ––––それは大学の校風の差、もしくは個人の差、あるいはそれが入り混じってるもの–––– を感じたかもしれません。

しかしみんなに共通していたのは、「権限によらない全員発揮のリーダーシップ」に馴染みがある大学生だということでした。

「同じリーダーシップになじみのある者同士」。この感覚はどれくらい得られたでしょうか?同じリーダーシップを知っていると、ディスカッションなどがうまくいくな~、という印象でしたか?それともまだ難しいという印象でしたか?

 

 

 

 

いま、皆さんは左上の環境にいます。それぞれの大学や、このキャラバンなど、【①リーダーシップになじみのある大学生】の場にいます。

これからは、今いる環境から飛び出して、右上の【②リーダーシップになじみのない大学生】や、左下の【③リーダーシップになじみのある社会人・高校生など】がいる環境に参加してみることに意味があります。

 

ちなみにみなさんは、どちらに先に行きたいですか?どちらが行きやすいと感じますか?

 

そして最終的には、右下の【④リーダーシップになじみのない大学生以外の人】がいる環境に向かって、次々と「越境」していかないといけません。

そうしないと、「社会と人生で必要なリーダーシップ」は身につきません。

 

 

 みなさまはこの言葉を読んで、何を感じましたか

   私はまず、自分の経験を振り返るとさまざまな越境の経験をしていたことに気づきました。

大学の授業でリーダーシップを知り、上位科目も受講する中で他の大学生にリーダーシップのことを伝えたり、社会人と交流したりと、②や③の領域へと越境してきたのです。さらにキャラバンでは運営に関わり、社会人サポーターや教職員の方々とも交流する機会を得る経験もしました。

 

みなさまも②や③の越境を、様々な形でしてきたのではないかと思います。例えば、ゼミやサークルではリーダーシップになじみのない大学生の中でリーダーシップを発揮してみたり、バイト先やインターン先では社会人の方相手に「ちょっとした行動」を起こしてみたりということも②・③の越境です。

 

私はいままで、授業の中で機会をもらったり、お声掛けいただきキャラバンに参加したりと、そのときは「越境しよう」と考えずに②や③の越境を選択・行動をしてきました。しかし後になって日向野先生の言葉をもとに振り返ると、これらの経験はすべて自分のリーダーシップを高める過程の「越境経験」だったと解釈することができました。

みなさまもご自身の経験を振り返ったとき、「越境経験」が見つかるのではないでしょうか。

 

 

​   そしてもう一つ、これからは自分で意識的に、あえてこれまでの環境(①など)とは異なる場所に飛び込んでみることが自分のリーダーシップ開発のチャンスになる、と私は改めて思いました。

最終的に④の【リーダーシップになじみのない社会人など(大学生以外の人)】と共に過ごす環境でもリーダーシップを発揮できるようになるのが、大学のリーダーシップ教育のひとつのゴールではないかと私は思います。

 

例えば大学卒業のタイミングまで、意識して越境の練習をしてこなかったらどうでしょう。卒業後に就職した時、そこで初めてリーダーシップを発揮しようとしたら、「リーダーシップになじみのない」人が自分の行動を受け入れてくれない可能性があり、苦労するかもしれません。

 

だから「越境」の練習をどんどんしていこう、と。「越境せざるをえない」タイミングが来る前に、練習しておこう、と。大学のうちに社会人と交流し、リーダーシップを発揮してみる経験をしてみる。行動してみて、ときにはぶつかって、「こういう社会人もいるんだ」と知る。そういう「練習」を意識したいと思います。

ここでは社会人の例をとっていますが、高校生や、海外の方、自分と境遇が違う人、年齢が離れている人、などなど、「越境」する場にいる相手は様々考えられます。

   「社会と人生に必要なリーダーシップ」を身につけて発揮できるように、これから何を意識してどんな経験を積んでいくべきか。日向野先生のこの話がそのヒントになるのではないかと思ったので、みなさまにも共有したいと思いレポートにしました。

おわりに

私が見た対面報告会についてのレポートは以上です。

​ここまで読んでいただきありがとうございました!

 

 

(集合写真)

​※撮影のときのみマスクを外しております

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