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​リーダーシップ・キャラバン2023
​報告レポート

目次

1.はじめに

2.リーダーシップ・キャラバンとは

3.リーダーシップ・キャラバン2023 開催概要

4.対面報告会

5.参加者の声

6.終わりに

1.はじめに

  202387日〜9日の3日間に亘り「リーダーシップ・キャラバン2023」を開催いたしました。本イベントは、全国の「全員発揮のリーダーシップ教育」を担う教職員と学生、ご賛同いただく企業が集まる、越境学習の場です。早稲田大学と株式会社イノベストが共催しています。2018年よりスタートし、今年度で6回目の開催となりました。

 

リーダーシップ・キャラバンにおける「リーダーシップ」とは、早稲田大学の日向野幹也教授が提唱する「全員発揮のリーダーシップ」です。これは権限・役職・カリスマ性を前提とせず、複数の人がリーダーシップを発揮するのは自然であり、開発・習得可能であると想定されたリーダーシップのあり方を指します。

 

2.リーダーシップ・キャラバンとは

<リーダーシップ・キャラバン開催趣旨>

  本イベントは、リーダーシップ教育に関わる全員が学ぶ場として2018年度より毎年開催しています。具体的には参加者ごとに以下の学びが挙げられます。

 

◆学生◆

(学生参加者)多様な環境におけるリーダーシップ発揮の仕方

(学生サポーター)他者のリーダーシップ発揮を支援する方法

(学生運営)参加者の学習設計とイベント運営の仕方

◆社会人サポーター◆

多様な学生チームとの協働を通じて自社の人材育成を含む日常業務に活かせる気づき

◆教職員◆

参加学生のリーダーシップ発揮や教職員間の交流を通じ、自学でのリーダーシップ教育への気づき

 

<リーダーシップ・キャラバンのミッション>

・リーダーシップ教育推進大学間のネットワーキング

・リーダーシップ教育に賛同する企業・組織と各大学の連携を強化すること

・学生の越境学習機会創出

3.リーダーシップ・キャラバン2023 開催概要

日時:87()9()

会場:Zoom

対象:リーダーシップ科目修了学生、協賛企業、WASEDA NEOリーダーシップカレッジ修了生、リーダーシップ教育導入大学教職員

参加学生数:58(合計15大学)

 

リーダーシップ教育を推進している各大学から集まった学生が、他大学の学生と混成チームを作り、社会人サポーター、学生サポーターとともにプロジェクト活動を行います。今年度は全9チームの編成でプロジェクト活動を行いました。

<プロジェクト課題>

解決したときに思わず嬉し涙が出てしまう課題を設定し、

社会を前進させるプランを提案してください」

 

<スケジュール>

 

 

 

  本イベントでは、学生向けのProject Based Learning (以下PBL)を本会として運営しながら、リーダーシップ教育を取り入れている大学の教職員向けの企画を裏側で実施しました。

 

  学生向けのPBL(​プロジェクト型学習)では、いきなりプロジェクトワークにはいるのではなく、半日かけてチームビルディングを行い、相互にリーダーシップを発揮しあえる関係性を構築していきます。その後プロジェクトワークに入り、アイディア創出から問題を掘り下げ、自分たちが解決したい課題の設定を行った上で、その課題を解決するための提案を作成しました。イベント中盤には、中間発表やリハーサルを実施。社会人サポーターよりフィードバックを受けながら、各チームが提案のブラッシュアップを行い、その後の本番発表で全9チーム中、参加社会人が審査を行い3チームが賞を受賞しました。

 

通常のPBLでは、ここで活動終了ですが、本イベントにおいては、学生が越境し学習したことを振り返ることで学びを持ち帰り、自組織でもリーダーシップ発揮に活用できるよう振り返りに力を入れています。全てのチームがここまでのプロセスについて振り返りを行い、チーム状況の振り返りやチームメンバーで相互フィードバックを行うことで、自分やチームメンバーが発揮していたリーダーシップを言語化。最後に、一人ひとりが日常で今回の学びをどう活かすかの目標としてアクションプランを宣言し、本イベントは閉会しました。

 

  裏側の教職員向けの企画では、ツアーと分科会を実施。

ツアーでは、本イベントの概要を改めてご紹介しながら、学生が学外で強みを活かしながらリーダーシップ発揮、挑戦をしている様子を観察したり、他大学の学生の様子も観察することで、改めて自学の強みや今後の展望について考えることのできる機会を創出しました。

分科会では、リーダーシップ教育を導入・運営する中での難しさや課題について、大学を越えて知識・経験を共有し合う場を作り、リーダーシップという共通言語で教職員同士が繋がり、支え合うことのできる関係性の構築を目指しました。

<リーダーシップ・キャラバン2023の目標>

学生運営が定めた本イベントの目標がこちらです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  3間を通してリーダーシップの輪を広げて、自分の新しいリーダーシップにも気づく機会にする、という意味があります。参加した学生が本イベントで自分の新たな強みに気付いている瞬間が何度も見受けられました。

 

4.対面報告会

日時:821() 15:0017:00

会場:早稲田大学 日本橋キャンパス

対象:リーダーシップ・キャラバン2023 クライアント賞受賞3チーム

 

  プロジェクト活動の本番発表で、クライアント賞を受賞した3チームが招待される「対面報告会」を開催しました。対面報告会では、3チームが本会のチーム活動を「Zoomにおけるコミュニケーションのチームワーク可視化レポート」を用いて振り返ります。

 

<本会の流れ>

1.チェックイン

2.チーム活動振り返り

3.越境学習の意義を言語化

4.チェックアウト

 

  本対面報告会では、3日間オンラインで活動したメンバーが初めて対面で顔を合わせることとなります。本会3日間で関係構築できていたため、初めての対面の場でもスムーズに話し合いに入り、楽しそうにリーダーシップを発揮し合えていました。

チーム活動振り返りでは、はじめにチームワーク可視化レポートを用いずKPT法という、Keep(継続したいこと)Problem(改善したいこと)Try(挑戦したいこと)3点からチームの状況を振り返りました。

その後レポートを見ながら、他チームと比較する中でチームワーク中の要素から自チームの成果に上手く結びついたポイントの分析を行いました。

Zoomにおけるコミュニケーションのチームワーク可視化レポートについて>

 

  チームワーク可視化レポートとは、​中央大学商学部に所属する彭先生作成したもので、今回イノベスト社と連携して測定を実施しました。本会当日にZoomの各ブレイクアウトルームに入りチーム活動の様子を録画してから、メンバが発する音声情報・視覚情報を自動処理することで出来上がりました。

本会より一定の期間を置いたことでより俯瞰的にチーム状況を振り返り、社会人サポーターをもっと頼った方が良かった等の自分たち以外の要因にも目を向けた振り返りを行うことができていました。

  また、「来年度の本イベントを他の人に薦めるならどう伝えるか」というテーマで、リーダーシップ・キャラバンで越境学習したことを通しての学びの言語化を行いました。Zoomでチーム活動していた時よりもお互いの反応がわかりやすく、テンポ感のある会話が生まれていたのが印象的でした。


 

5.参加者の声

  普段とは違う視点を持っている人からのフィードバックで、自分が得意な事、苦手な事をとても具体的に言語化できた。これによって、自分がこれから育みたい力や理想とするリーダーシップ像を持つことができた。(淑徳大学2年)

 

  自分が普段やらない役割をいつもと違うメンバーの中でチャレンジできたことで、客観的に自分を見つめ直せた。また、リーダーシップの授業で学んだことが授業外でも実践できるということを感じられた。(早稲田大学3年)

 

  チーム活動をする上で「他者理解」を深めることの重要性を学ぶことができた。今回はチームメンバー全員がコミュニケーションをしっかりとれるメンバーがそろっていてそれぞれの「思い」が伝わりやすく共通認識や理解がしやすかった。そのため、今後のチームワークでは、まずは相手が何を思っているのか、感じているのかを理解し、チームで課題や提案における共通認識を持つことを意識してリーダーシップを発揮していきたい。(神奈川大学3年)

6.終わりに

  リーダーシップ・キャラバンでは、この3間を通しての学びをその後様々な場所で活かすために「経験学習サイクル」を回すことが大切とされています。

 

 

 

 

 

 

「経験学習サイクル」とは、具体的経験の振り返りを通じて、別の機会で活かせる教訓を得ること、その教訓を別の機会で実際に試し、新たな具体的経験をすることを繰り返していくことを指します。

 

本イベントが終わった後もこの「経験学習サイクル」を回し、自ら学び続け、様々な場所でリーダーシップを発揮する学生が増えることを願っています。

文責:インターン 共立女子大学 木島梨紗子 ​

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